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EURASIAN RETREAT

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アジアの伝統音楽や世界の古代音楽の源泉を多彩にリミックスする作曲家・浦尾画三とメディア美学者・武邑光裕のユニット。ユーラシア大陸極東の島・日本から、音楽の起源とその休息を展望する独自の音楽空間をめざしている。
浦尾の音楽的才能は、1970年代後半から異彩を放ち、精緻で完璧を記す作曲手法はすべて独学。初期のオーケストラ曲「Foliate」 以降、CM全盛時代の放送メディアに多数の音源を放出する。アナログシンセの時代から、コンピュータ音楽の黎明期を駆け巡り、環境音楽では、美術館や博物館のサウンド・デザインを手がけ、数多のメロディ・楽曲は研ぎ澄まされ、洗練された音場に貫かれている。近年は、NHK-BSスペシャル、長野五輪民放共通オープニングタイトル曲、現在放送中のNHK「敦煌莫高窟 美の全貌」、NHK「日めくり万葉集」のTV シリーズなどの作曲を手がけ、自然界の音場や鼓動、古代からの音楽的遺伝子を大胆にリミックスする才能を発揮する。中国古代の「八音」(古代中国の楽器分類。金、石、糸、竹、匏、土、革、木の八種類の素材による)をめぐる音源の探索は、一連の中国音楽とユーラシア全域に及ぶ壮大な音楽的記憶への旅でもあった。2001年に発表したCD「精霊たちの休息」は、いわゆるヒーリング音楽という枠組みを超えた珠玉の作品集である。
武邑は、日大芸術学部講師時代に坂本龍一の「音楽図鑑」(1984)収録の”旅の極北”に制作協力、ビデオアーティスト、ナムジュン・パイクと坂本を繋ぐ国際衛星テレビプロジェクトに参加した。1980年代後半、東京芝浦の伝説のクラブGOLDのプロデュースに関わり、毎月ECCO NIGHTと呼ぶパーティを開催。以後、東京のクラブシーンに多大な影響を与えた。時を同じくして、ウィリアム・バロウズに捧げられたクラブENDOMAXを東京・飯倉にプロデュース。オープニングにはNYからDJラリー・レヴァンを日本で最初に招聘した。1990年代初頭、500枚の壁面フラットスピーカーを有した東京パーンホールでの音楽イベントプロデュースでは、オランダのパーカッショニスト、ZEVやサイキックTVの招聘、マリアン・アマシェ、テリー・ライリーなどの現代音楽家、そしてオーネット・コールマンのコンサートを実現している。その後武邑は、京都造形芸術大学で日本の伝統文化資産のデジタルアーカイブ制作に着手、1999年から東京大学大学院新領域創成科学研究科に着任、2006年からは札幌市立大学の開学に関わり札幌在住となった。
1970年代後半、浦尾・武邑は、現代音楽集団INGでの活動を原点に、それぞれに時代の前線と関わってきたが、今、30年の時を経て、偏在する世界音楽の大胆な編纂が、EURASIAN RETREATというユニット・ライブで実現する。今回の特別ライブでは、札幌での新たなメンバーが編成され、未発表オリジナル曲を含め、ユーラシアの遠大な音の記憶、その音楽の遺伝子に託された歴史の休息がテーマとなる。ユーラシアの北東サッポロから、断片化と融合を繰り返す、音楽の未来が聞こえてくる。